こんな一日

打撃不振を払拭する為には練習しかない。
前時代的な事を言ってるかもしれないが事実である。
やはり練習に勝るものはない。
そんな事を考えながら新幹線に乗る。
チームメイトが談笑してるのを横目に、バットを振りたい気持ちを押さえるために「鋼の錬金術師」の第7巻を読みふける。
名古屋に近くなって眠くなりちょっとうとうとする。
夢を見た。
夢の中でもバットを振っている。
しかしいくら振っても球をすり抜けていく。
確実に球を捉えてるはずなのにすり抜けていく。
しかもスローモーションで。
もがいてもがいて目が醒めた。
少し寝汗をかいていた。
気持ち落ち着かせる為にゲームボーイで「逆転裁判3」をする。
そうこうしてるうちに新大阪に到着した。
とにかく早く体を動かしたかったので球場に急ぐ。

基本だ。
ひたすら基本を繰り返す。
ティーバッティング、トスバッティング。
ひたすら打つ。打ち込む。
体のキレは悪くない。腰も大丈夫だ。
気になる事といえばブックオフのクーポン券をどこにしまったかを忘れた事だけだ。

打つ、打つ、打つ。
脇をしめて、ボールから目を離さず、リラックスして・・・

そして試合。
打った!タイムリーを打った!
思わずガッツポーズまで出てしまった。
これだ、この感覚だ。
蘇ってきた。調子の良い自分を思い出した。
ありがとう、井川!
これからはがんがん打っていくぜ!

という感じだったのだろう。
勝手にヨシノブの一日を想像してみた。

私もそんな気持ちでバッティングセンターで打ち込んでたさ。

そんな一日。

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